レザークラフトの道具辞典 ~トコノール~


トコノールはレザークラフトの仕上げをする上で必須となる製品です。
革の床面の表面をきれいにするために使用します。何も処理をしていない床面は毛羽立っておりそのまま処理をせずに使用すると、見た目が悪いだけでなく耐久性も落ちてしまいます。



トコノールはワックスの役割も持っており、使用することで見た目が良くなるだけではなく耐久性や防水性も上がります。
使い方は簡単で、少量を薄く床面にのせ半乾きになったらガラス板やヘチマで磨いていきます。力を入れる必要はありません。床面を触ると抵抗があり毛羽立つと思います。その反対方向が繊維の方向です。繊維の方向に向かってガラス板でこすりつけ毛羽立ちを抑えます。

トコノールはコバ(革の端、断面部分)部分にも使用することが出来ます。
床面を処理しただけでは見た目はもちろん、コバ部分から水などが浸透し傷んでしまいますので処理が必要になります。ヘリ落としでヘリを落とした後、サンドペーパーなどでデコボコを処理します。その後トコノールを塗りコバ磨き(プレススリッカー)やヘチマなどで磨いていきます。こちらも力を入れる必要はなく半乾きの状態で行いましょう。何度か塗っては磨きを繰り返し納得の行く仕上がりになったら処理は終了です。

またトコノールは染料を混ぜることで色を入れることも出来ます。
革によっては染料が中まで染み込まず、断面にヌメ革の色が残っている場合があります。そのときにトコノールを染色しコバに使用することで同一の色にすることが出来ます。逆に革の色と違う色をコバに塗るのもアクセントとしていいかもしれませんね。
初めから色のついたトコノールもあるので、黒などよく使う色が決まっている場合はそちらを購入するほうが早いかもしれません。

トコノールを使用する際の注意は吟面につかないようにすることです。間違ってついてもすぐに拭き取れば問題はないのですが、長時間ついたままにしてしまうとシミになってしまいます。処理をする場合は吟面についていないか確かめながら作業をしましょう。

同じような製品でCMCという粉状のものがありますが、CMCはぬるま湯に溶かして使用します。コスパはCMCのほうが良いですが、混ざりにくいので混ぜ合わせるのに時間がかかること、一度作ると保存方法が難しい(冷蔵庫に入れて保存できるがそんなに持たない)等、使い勝手を考えるとトコノールのほうが良いでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿