レザークラフトを完成させるために必要な7つの工程

製作中のレザークラフト

レザークラフトの工程は大きく7つに分けることが出来ます。

1.完成イメージを練る(ラフ案)
2.型紙を作る
3.作った型紙を実際に組み立ててみる

2.3.を繰り返し納得いく型紙を完成させる

4.型紙に沿って革をカットする
5.革を貼り合わせ縫い穴を空ける
6.糸で縫う
7.仕上げの処理をする

それぞれの工程をざっくりと見ていきましょう。




1.完成イメージを練る(ラフ案)


レザークラフトを始める際に一番初めに完成イメージを描きましょう。
紙と鉛筆でどんな作品にするかデザインを考えていきます。現時点ではサイズなどは考えず、自分の好きなデザインを好きなように描いていきましょう。

Webなどで検索して色々な革製品を見てイメージを膨らませるのものも良いかもしれません。オーソドックスなデザインから始めるとその後の工程が複雑にならず理解が進みやすいので初めのうちはあまり凝ったデザインにはしないほうが無難かもしれません。

2.型紙を作る


自分で作成したデザインを元に型紙を作成していきます。
型紙作成に使用するのは文具屋さんなどでも売っている工作用紙です。
革同様にある程度の厚みがあって方眼のメモリも付いているのでサイズを切り出すのに便利です。

まずは大まかな形とサイズを作っていきます。
名刺入れや財布など何かを収納するものを作る場合は
実際の名刺や紙幣などのサイズを図って型紙を作っていきます。

型紙を作る際に考慮する点としては
A.マチ(厚み)を決める
B.縫い代を考えてサイズを決める
が大切になってきます。

例えば名刺入れの場合、ピッタリ名刺サイズで作成してしまうと縫い代の分サイズが小さくなってしまって名刺が入れられなくなってしまいます。
また入れたい量によってもマチ(厚さ)の調整が必要です。

型紙が完成したら、カッターなどで切り出していきます。
なるべくキレイに切るために直線は定規などに沿って切るようにしましょう。

3.作った型紙を実際に組み立ててみる


2で作成した型紙を実際に組み立ててみましょう。
本番では糸で縫い付けていくのですがこの段階ではセロテープやホッチキスなどで止めていきます。
私の場合は縫い代に沿ってホッチキスで止めることが多いです。

またこの工程でよく失敗に気づくことがあります。
例えば思っていたよりも縫い代が足りなくて名刺が入れづらい。
マチ(厚み)はもう少しあったほうが使いやすい。などです。

また、組み立てる工程によっては縫う予定の部分が縫えなくなったりなどの失敗もよくあるミスなので、組み立てる順番(縫う順番)もこのときに意識しておいたほうがその後の実践に活きてきます。

2.3.を繰り返し納得いく型紙を完成させる


1回目の型紙制作で問題がなければそのまま次の工程に進むことが出来ますが、
大体の場合は微調整が必要になってきます。
その場合はもう一度型紙制作からやり直す必要があります。

型紙はレザークラフトにおいて完成の出来を左右する大きな要素となります。
手間がかかるかもしれませんがこの時点で納得のいく型紙を完成させましょう。

私の場合は完成イメージを練る工程から完成までの中で型紙制作に一番時間がかかります。でも何度か失敗してきたからこそ分かるのですが、ここで納得のいく型紙を完成させないと大きく後悔してしまいます。革は決して安いものではないですし、布と違って一度穴を開けてしまうと元に戻すことが出来ません。
型紙制作の時点で失敗をしておくことがお金の節約にも繋がります。


4.型紙に沿って革をカットする


さて、苦労して型紙を完成させたらいよいよ革をカットしていきます。
このサイトの型紙データを利用する場合は、印刷した型紙を工作用紙に貼り付けてからカットして準備をしましょう。私の場合は百均で売っているのりスプレーで貼り付けてます。

作成した型紙にそって革に印をつけていきます。印を付ける方法は後から消すことが出来る銀ペンが主流ですがそれ以外にも目打ちや1つ穴の菱目打ちなどで革に傷を付ける方法もあります。

革に印をつけたら型紙を外し、革をカットしていきます。本格的な革包丁でもいいですが、カッターなどでも問題ありません。カットする際には革に対して垂直に切るように気をつけましょう。


5.革を貼り合わせ縫い穴を空ける


革を切り終わったら、下処理を済ませます。革には銀面(革の表面)と床面(革の裏面)が存在し、完成したときに見える床面部分には下処理が必要となります。一般的にトコノールという白い液体を床面に塗り、磨くことで毛羽立ちがないきれいな仕上がりとなります。

次に型紙を組み立てたときと同じように革同士を張り合わせていきます。その際に使用するのがゴムのりや木工用ボンドです。接着する革の床面(裏面)の両方に接着剤を塗り貼り合わせます(ゴムのりの場合は少し乾かします)。床面同士をズレがないように張り合わせましょう。

張り合わせたらいよいよ穴を開けていきます。
先に革の外側から同じ幅で縫い合わせるために、ステッチンググルーバーやネジ捻、ディバイダーという道具でガイドラインを引いていきます。
そのガイドラインに沿って道具菱目打ちで穴を開けていきます。

菱目打ちはフォークのようになっていて、等間隔で穴を開けることが出来ます。
1つ穴用~6つ穴用まで数種類の菱目打ちがあるので直線や曲線など用途に合わせて使い分けます。


6.糸で縫う


必要な場所に穴を開け終わったら専用の糸で縫い合わせていきます。
レザークラフトの場合両面からなみ縫いを行う形で縫い合わせを行います。
縫う手順に関しても大事なポイントがあり縫い方を間違えると縫い目が汚くなってしまうので注意が必要です。


7.仕上げの処理をする


縫い終わったらほぼ完成ですが、より美しい作品にするために仕上げの工程が残っています。革のフチ部分(コバといいます)はカットしただけでは角ばっており(ヘリといいます)、劣化を早める原因となってしまいます。そこでコバの角の部分を専門の道具ヘリ落としで削り、その後コバを磨く作業を行います。
コバ処理は糸で縫い合わせた後だと処理できない部分もありますので、そういう部分に関しては縫い合わせる前に先にコバ処理を行います。




ざっくりではありますが以上が基本的なレザークラフトの工程になります。
このサイトでは型紙データも提供しているのでそのデータを利用する場合には
4~7が主な工程となります。初めのうちは型紙作成に悪戦苦闘するので初心者の方は
まずはダウンロードしてみて作ってみるのもいいかもしれません。

ダウンロードした型紙データの構造を理解しながら作成し
慣れてきたら、自分でも型紙を作ってみてください。
私の型紙データを応用してオリジナル作品を作るのもいいでしょう。

まずは楽しむことが大切です。少しずつ慣れていきましょう。

また今回は各工程を大雑把に説明していますので
それぞれの工程の詳細は作品制作の別記事・動画で紹介しますので参考にしてみてください。

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