レザークラフトの作り方 ~縫い穴を開ける~



レザークラフトをやる際にほとんどの作品で行う作業が縫い穴を開ける作業です。

今回はその縫い穴を開ける作業について説明していきたいと思います。





◆穴を開けるための菱目打ちには色々な刃の数がある



菱目打ちは革に穴を開けるための道具でフォーク状の刃が一定の間隔で並んでおり等間隔で穴を空けることが出来ます。
菱目打ちで革に穴を空けると菱形状の穴が開き糸を縫い合わせるときに縫い目をキレイにすることができます。

市販で売られている菱目打ちは主に1本目、2本目、4本目、6本目が多く存在し、
刃の数が多いほど直線など長い距離の穴を空けるときに一度に多くの穴を開けることが出来るのでスピードアップに繋がります。
ただし目の数が多いほど接地面が増えるため、強い力が必要になります。
曲線部分に穴を空ける際には2本目の菱目打ちを使用します。
私の場合は2本目、6本目しか使っておらず、それ以外は使用していません。
また、製品によって刃と刃の間の感覚の違いがありますので道具は1セットで揃える必要がありますので注意してください。


◆縫い穴を開ける前に革と革の接着


早速縫い穴を開けていきたいのですがその前に準備が必要です。縫い合わせる革と革をゴムのりなどで接着していきます。
革同士を接着することで菱目打ちで穴を開けていく際にずれないように固定してあげるのです。
縫う部分によっては吟面(革の表面)を縫う場合がありますので、その際はヤスリなどを使用して吟面に傷を付けて接着力をあげる必要があります。
ただ露出する部分に傷がついてしまうとかっこ悪くなってしまうので、気をつけて作業しましょう。大部分に傷を付ける場合はワイヤーブラシなどが楽です。

革に傷をつける際に使用するワイヤーブラシ
革に傷をつける際に使用するワイヤーブラシ


接着する部分に接着剤を塗り革同士を貼り付けていきます。ゴムのりの場合は貼り付ける前にしばらくおいて乾かしてから行いましょう。
接着剤によって乾くスピードが違うため使用している製品の説明書を見ながら乾くのを待ちましょう。私の場合はボンドやサイビノールなども使用しています。

革を接着する際に使用する接着剤 サイビノール
革を接着する際に使用する接着剤 サイビノール

◆革に穴をあける前にガイド線を引く


次に、縫い代のガイド線を引いていきます。ガイド線を引くのに利用するのがステッチンググルーバーやディバイダー、ネジ捻などです。
今回はネジ捻を使用して説明していきたいと思います。
ネジ捻はネジを回すことでガイドを引く刃の間隔を調整することが出来る道具で、革の端に沿って一定の幅でガイド線を引くことができます。

穴を開けるためのガイドラインをネジ捻で引く
穴を開けるためのガイドラインを引く道具 ネジ捻(写真左上)


一般的に革の端と縫い穴の幅は2~3mm程度空ければよいでしょう。始めのうちは3mmほど空けるとやりやすいかもしれません。
使用する菱目打ちの刃によっても変わってくるので、端切れなどで自分で試してみるよ良いでしょう。

革に穴をあける前にガイド線を引く
革に穴を開けるガイドラインを引く

◆ガイド線にそって穴を開けていく


次にいよいよ菱目打ちの登場です。基本的な菱目打ちの使い方は単純です。開けたい場所に菱目打ちを垂直に当て、ハンマーで叩いて穴を開けます。
菱目打ちが斜めになってしまうと裏側の縫い穴がずれてしまうので垂直を意識しながら行うことが重要です。
穴を空ける際にはゴム板を下に引いて使用しないと机に傷がついてしまうので注意しましょう。
最初に穴を開ける際には、革の端に1本だけ刃を外側に出してやり、次の2本目以降で縫い穴を開けていきます。

刃の1本めを革の外に配置して基準を作る

刃の1本めを革の外に配置して基準を作る


そうすれば革の端から1つめの穴の間隔が揃うのでキレイに仕上がります。

次の穴を空ける時にはすでに開けた穴の一つに端の刃を合わせ同様に穴を開けていきます。

開けた穴の端を菱目打ちの1本めと合わせる
開けた穴の端を菱目打ちの1本めと合わせる


穴を開ける際には刃を垂直にすること
穴を開ける際には刃を垂直にすること



◆キレイに仕上げるためには菱ギリを使用しよう。

菱目打ちを使って穴を開けるとどうしても裏側までキレイに穴を開けるのが難しくなります。
何度もハンマーで叩いて置くまで穴を開けることも可能ではあるのですが、そうするとゴム板に菱目打ちがめり込みすぎて抜くのが大変になります。

レザークラフトを始めた頃、その方法で穴を開けていたのですが、
実は菱目打ちで最後まで穴を開ける方法はプロの世界ではやっていないことをしばらくしてから知りました…。

本来菱目打ちで軽く穴を開けた後(穴を開けるためのガイドとして使用するようです)、菱ギリと呼ばれる道具で仕上げの穴を開けるやり方が正しいやり方のようです。
始めの頃、菱ギリを持っていなかったので1つ目の菱目打ちを使用していました。

実は菱目打ちだけで穴を開けると上記の説明の通り、裏側までキレイに穴があかないため糸で縫い付けた際にキレイに糸目が揃わなくなってしまいます。
そこで菱ギリで菱目打ちで開けた穴に沿って1つづつ裏側まで穴を広げる作業を行います。
そうすると裏側の縫い目までキレイに揃えることができます。

菱ギリを使用する場合はコルクボードなどの上で作業を行うと比較的やりやすいかと思います。そこまで力はいれなくてもスッと入ると思います。

自分の作品をきれいに仕上げるためにも菱ギリを使っての穴あけ作業もするようにしましょう。



以上が縫い穴を開けるための作業になります。

次回は糸を縫い合わせる作業について説明していきたいと思います。

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